8/12
前へ
/37ページ
次へ
陶然と浸りゆく 霧雨に眩んでいる 心がその想いが 揺らいでいる今を知る 婉然と満ちゆく 深緑に泣いている 時とこの瞬間が 留まる事の意味と知る 廻りそよぐ風の連なり 濡れた命に微かに響く 寂漠によく似た切なさ 失われていく温もりを 抱き締めるように ずっと灯し続けて 残された気持ちを 大切に閉じ込める 降りしきる冷たさに 少しだけ笑えたらいい 流れ落ちる悲しみに 少しでも笑えたらいい やがて注ぐ陽の光を 目を閉じて想像して 忘れ難きこの刻を 空を仰いだその刻を いつか笑えたならいい ひとつの思い出として 貴方と語れたならいい
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加