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吐息……凍えるほどに
鈴の音は輪郭を拡げて
風花消える涙のあとの
命まで届く寂寥の冴え
時の陰に徒然と浸りて
趨勢に任せたこの身体
乞い願う最善の結末に
最早僅かな救いもなく
揺れて消えて溢れだす
想いは冷たく彩られて
重ねた日々も薄れてゆく
焦れて溶けて流れだす
記憶は悲しく彩られて
繋いだ未来も失われゆく
吐息……凍えるほどに
風の音は輪郭を増して
微かな声さえ聞こえない
続く言葉はもう届かない
枯れて散って溢れだす
想いは冷たく彩られて
寂漠の夢は刻まれていく
泣いて笑って振り返る
追憶は哀しく彩られて
描いた明日も失われゆく
心ひとつ……
涙に濡れて……
終わらせる場所も
見つけられないまま……
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