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「光輝の告白、思い出してた」
「へ、えっ……!?」
わたわた泳ぐ目。
こうやって一緒に生活するようになって、もう3年になるのに。光輝は相変わらず、仕返しに弱い。
真っ赤になった光輝にくつくつ喉を鳴らし、あの時よりもうんと男らしくなった肩に手をかける。
背も伸びて、声も太くなって。
同じ男なのに、俺だけ成長してないみたいに思う時もあるけど。
「は、はる?」
「……好きだぞ、光輝」
あの時はびっくりして頷くのが精一杯だった俺も、今ならちゃんと言える。
俺は、光輝が好きだ。
肩が触れて、目が合って、手を重ねて。
そんな些細なことで、人を好きになるなんて、ありえないと思ってた。
でもきっと、きっかけなんてのはオマケみたいなもので。
初めて聞いた光輝の、上擦って掠れた声は、俺の宝物。
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