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「4年前の4月、入学式。
あの日のことを、あの瞬間を私は今でも奇跡のように思っています。」
樋川真奈美はそう切り出した。
4年前
前日の大雨でほとんどの桜が散り、寂しくなった桜たち。その中に1本だけ満開の木があった。その木の下には不思議そうに幹に手を当て桜をじっと見つめる男の子。私と同じ桜川高校の白のブレザー、さらさらの黒髪、ぱっちりした二重、身長180はあるだろう。まるで絵本から飛び出た王子様。
1人で入学式にやってきた私はおもわず目を奪われ、立ち止まる。
その時彼が私を見た。目が合い、時が止まったように感じる。
彼は本当に驚いたように目を見開き、私に駆け寄って
「俺!早川悠です!好きです!一目惚れしました。付き合ってください」
私は驚きすぎて何も言えなかった。
「あっ急にこんなこと言われても困るよな、、。その制服、桜川のだよな?名前は?」
「、、、樋川、樋川真奈美!」
「樋川真奈美、じゃあ真奈美ちゃんって呼ぶな!返事はまた「付き合ってください!」今度、えっ?えっ?本当に?いいの!!!!」
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