第1章

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今を逃してはいけない気がした。ただそれだけの理由で私は彼に返事をした。 私が「うん」とうなづくと、彼は嬉しそうに笑った。桜の花びらが舞い彼を祝福する。 彼と過ごす日々は幸せだった。毎日些細なことで笑って、たまに喧嘩して。 あの日常は私の宝物。 私は幸せだったと語る彼女に嘘はないように感じた。 「、、、なら、、、なぜ殺したの?」 そうならなぜ彼女は樋川真奈美は彼を殺したのだろうか。そしてなぜわざわざ自首してきたのか。 私は彼女の答えを待った。しかし、私がその問いをした瞬間彼女から表情が消える。 そしてまた何も話さなくなった。 今日はここまでか。 「樋川さん、今日はここまでにしておくわ。また明日取り調べを行います。」 私は席を立ち、ドアに手をかけた。 「お名前、、、、。お名前なんですか?」 彼女は部屋から出ようとする私に、彼女は唐突に問いかけた。 「!、、、安藤由紀。安藤由紀よ。」 そう言い私は今度こそ部屋を出た。
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