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今を逃してはいけない気がした。ただそれだけの理由で私は彼に返事をした。
私が「うん」とうなづくと、彼は嬉しそうに笑った。桜の花びらが舞い彼を祝福する。
彼と過ごす日々は幸せだった。毎日些細なことで笑って、たまに喧嘩して。
あの日常は私の宝物。
私は幸せだったと語る彼女に嘘はないように感じた。
「、、、なら、、、なぜ殺したの?」
そうならなぜ彼女は樋川真奈美は彼を殺したのだろうか。そしてなぜわざわざ自首してきたのか。
私は彼女の答えを待った。しかし、私がその問いをした瞬間彼女から表情が消える。
そしてまた何も話さなくなった。
今日はここまでか。
「樋川さん、今日はここまでにしておくわ。また明日取り調べを行います。」
私は席を立ち、ドアに手をかけた。
「お名前、、、、。お名前なんですか?」
彼女は部屋から出ようとする私に、彼女は唐突に問いかけた。
「!、、、安藤由紀。安藤由紀よ。」
そう言い私は今度こそ部屋を出た。
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