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「いやぁ、それしてもびっくりしましたね~!あの子!
今まで他の刑事には何聞かれても、ずーーーーっと黙秘しとったのに!安藤さんに聞かれて初めて悠くんとの馴れ初め話して、最後には安藤さんの名前まで聞いて!さすが安藤さん!!」
「別に私だからじゃないわよ。きっとあの子事件以外のことだったら、最初から話すつもりだったのよ。」
「そうですか~?僕は安藤さんやから話したような気もしますけどね~。」
「はぁ。まあいいわ。それより、加屋町くん。あなた、樋川真奈美が本当に早川悠を殺したと思う?」
私の問いに彼はきょとんとした。
「そりゃあ。もう指紋も彼女と一致してますし、決まりやないんですか?あとは動機だけで、、、、。」
「そうなんだけど、なんかひっかかるのよね。樋川真奈美と被害者は大学卒業後には結婚しようって約束もしてたし、お互いの両親に挨拶もしてたらしいじゃない。浮気をしてる様子もない。じゃあなぜ彼女は彼を殺したのか。しかもわざわざ自首してきたのか。それに、、、。」
「それに、なんですか?」
「いや、証拠になった指紋にも違和感あるのよね。」
「指紋ですか?でもちゃんと樋川真奈美の指紋と一致しましたやん?なんで違和感あるんですか?」
「現場に落ちてた包丁、あれは早川悠の自宅のもの。彼女は他の友人の証言から、頻繁に彼の家に行き料理を作ってる。なら、指紋が付くのは当たり前じゃない。」
「確かに。」
この事件まだ何かある。
「長くなりそうね。」
私は確信を持って呟いた。
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