第1章

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「明日から入院してください。二ヶ月です」 そう告げられた。 不思議と入院に対する恐怖や不安はなかった。これも自分が普段から通院しているからだろう。病院の独特の臭いや雰囲気も嫌いではなかった。むしろ病院に来ると同じ仲間がいて安心感があった。 では、なにが恐かったか....................... 「置いていかれる」 この恐怖しかなかった。 学校の授業に置いて行かれ................ 周りの友達は進路の事を考え決め始めているだろう............. 普通の生活ができない............. 色々な事に置いていかれる気がした........... まあ、クラスの人達にはもともと嫌われ相手にはしてもらえなかったから、最初から置いていかれてたのかもしろない............でも、仲良くしてくれる人もいた。あと、小学校からの友達は問題なかった.........違う小学校からきた人には凄く嫌われた.....ほとんどの人に。 病名は、アトピー性皮膚炎(重症) 入院して、その人達から逃げれる事は嬉しかった。 でも、仲のいい人にも置いていかれるのではないか................ そう考えてしまった。 そんなことはない。そんなことはない。そんなことはない。 ひたすら繰り返したのだ。 そんなことを考えながら入院当日。 大学病院に入院した。広い。とにかく広かった。 いつもの通院している病院とは違った。看護婦に案内された。 歩く度に関節が痛い。掻いた場所が痛むのだ。人とすれ違う時も風が来て顔が痛む。 案内されたのは小児科だった。皮膚科では?と尋ねたら。 「皮膚科は今空いていないんですよ」 皮膚科は混んでいるのか。自分はてっきり小児科とかの方が混んでいるかと思っていた。 「ここの病室ですよ。」 入院してる人は一人いた。6歳ぐらいの男の子だった。自分と同じ中学生はいない。 病室の説明やフロアの説明など看護婦がしてくれてた。それが終わると親は帰った。 こうして入院生活が始まった。
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