第1章

3/5
前へ
/5ページ
次へ
その日の夕食は、魚にサラダ、米、汁物。 まずい。この一言につきる。そりゃ入院食でいいものが出るはずがない。思っていたが予想よりもキツイ。 でも、これで治るならいいかと思っていた。   5分程度で食べ終わってしまった。足りないと思いながら食器を片付けた。 薬を塗らなければいけないので看護婦を呼んだ。 「すみません。薬を塗ってくれませんか?」 そういうと元気な声で 「わかりました!すぐ行きます!」 と言ってくれた。 すぐに来てくれて、背中に薬を塗ってもらった。 「けっこう赤くなってますね。」 背中は自分では確認できないので、そんなに赤くなってしまったのか......と思いながら言った。 「そうなんですか。自分では確認できないのでどのくらいなのかわからなくて.....」 静かな声で言った。人見知りのため無愛想な言い方でもあった。 そんな会話をしていたら背中は塗り終っていた。 「終わりましたよ!あとは、大丈夫ですか?」 また元気な声で言ってくれた。 「ありがとうございました。あとは自分で塗れます。」 そういうと看護婦は戻って行った。 夜遅いのにあんなに元気よく対応してくれてありがたかった。ナースコールで呼ぶのは俺だけじゃないし、看護婦は大変だろうな.... いや、看護婦さんだ.......... こんなにしてもらって看護婦はないよな。申し訳ない...... そう思いながら寝た。 翌朝、6時半に看護婦さんが来てくれた。 「朝ですよ。体温測りますね」 あー。もう朝か。起きると皮膚が乾燥して痛い。あー。辛い。これを察してくれたのか看護婦さんが 「大丈夫ですか?乾燥している部分に薬塗りますね」 そういうと塗ってくれた。 「ありがとうございます。」 さっそく朝から助けてもらった。 朝食が運ばれてきた。 パンにサラダにマーガリンに牛乳。 普通だった。味も普通で特に違和感はなかった。 これも5分程度で食べ終わり。食器を片付けた。 本でも読もうと思って、読んでいたら。回診の医者が来た。この日は土曜日だったので、自分の担当の医者ではなかった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加