第1章

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
僕は学校でイジメられている。 なんでそうなったか自分では、わからない。 僕はごく普通の人間で特別目立った事もないのに……。 イジメる側に聞いてみたい。 何故、僕をイジメるのかをその理由を。 理由があるなら、まして僕に非があるならわかる。 だか、そうでないならイジメられてる側にたってみろよと言いたい。 ある日、僕は学校でボコボコにイジメられた。教科書は落書きだらけ、机の中には生ゴミ。そして、机の上には死ねの字。 僕が何をしたっていうのだろう? 先生はイジメに気付いてもいない。 両親にはイジメられてるとは、どうしても言えない。僕は家では明るい僕を演じているからだ。 家への帰路の道も重くなる。 「はーい。そこのイジメられっ子ちゃん」 突然、明るい声と共に現れたのは、僕と同じくらいの十二、三歳くらいの女の子。 「君、イジメられているでしょ! もうイジメられてますオーラがバリバリで見てられない」 「誰、君?」 僕のことを知っているみたいだけど、わけわからないことも言ってる。 「アタシ、アタシはイジメられてる君の味方さ。コレを食べてごらんよ。イジメはぴったり止むよ」 言って、僕の手に丸い団子が幾つか入った袋を渡す。 「それ鬼団子、食べると三分間、鬼のように強くなれる。副作用はなし。ただし、一回の食べる個数は三つまで、つまりだね。 三×三分間で九分間は鬼のようになれるよ。それ以上はいくら食べても鬼効果ナシです。じゃ、確かに渡したぞ」 「え? ちょっと待ってよ」 言いたいことだけ言うと、女の子は走って消えていった。 「鬼団子」 ゴクッと僕の喉が鳴った。 鬼のように強くなれるって、食べれば、イジメはなくなる? 僕はドキドキしながら鬼団子の入った袋を握りしめた。 明日、使ってみよう! もし、あの女の子がウソを言ったとしても、イジメはなくならないだけだから。 たいして変わらない。 次の日、僕は鬼団子の入った袋を持って、学校に登校した。 教室に入ってすぐ異変に気付いた。 僕の机がない。 椅子がない。 イジメっ子達はクスクス笑い、僕がどうするかを見て楽しんでる。 僕は鬼団子の袋を開けると、三個いっぺんに食べた。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!