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僕は学校でイジメられている。
なんでそうなったか自分では、わからない。
僕はごく普通の人間で特別目立った事もないのに……。
イジメる側に聞いてみたい。
何故、僕をイジメるのかをその理由を。
理由があるなら、まして僕に非があるならわかる。
だか、そうでないならイジメられてる側にたってみろよと言いたい。
ある日、僕は学校でボコボコにイジメられた。教科書は落書きだらけ、机の中には生ゴミ。そして、机の上には死ねの字。
僕が何をしたっていうのだろう?
先生はイジメに気付いてもいない。
両親にはイジメられてるとは、どうしても言えない。僕は家では明るい僕を演じているからだ。
家への帰路の道も重くなる。
「はーい。そこのイジメられっ子ちゃん」
突然、明るい声と共に現れたのは、僕と同じくらいの十二、三歳くらいの女の子。
「君、イジメられているでしょ! もうイジメられてますオーラがバリバリで見てられない」
「誰、君?」
僕のことを知っているみたいだけど、わけわからないことも言ってる。
「アタシ、アタシはイジメられてる君の味方さ。コレを食べてごらんよ。イジメはぴったり止むよ」
言って、僕の手に丸い団子が幾つか入った袋を渡す。
「それ鬼団子、食べると三分間、鬼のように強くなれる。副作用はなし。ただし、一回の食べる個数は三つまで、つまりだね。
三×三分間で九分間は鬼のようになれるよ。それ以上はいくら食べても鬼効果ナシです。じゃ、確かに渡したぞ」
「え? ちょっと待ってよ」
言いたいことだけ言うと、女の子は走って消えていった。
「鬼団子」
ゴクッと僕の喉が鳴った。
鬼のように強くなれるって、食べれば、イジメはなくなる?
僕はドキドキしながら鬼団子の入った袋を握りしめた。
明日、使ってみよう!
もし、あの女の子がウソを言ったとしても、イジメはなくならないだけだから。
たいして変わらない。
次の日、僕は鬼団子の入った袋を持って、学校に登校した。
教室に入ってすぐ異変に気付いた。
僕の机がない。
椅子がない。
イジメっ子達はクスクス笑い、僕がどうするかを見て楽しんでる。
僕は鬼団子の袋を開けると、三個いっぺんに食べた。
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