お約束はできません

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「ママー」 「なぁに?」  あれ以来、娘が話しかけて来た時は必ず相手をするようになった。家事やらなにやらあるから、顔を突き合わせて話せる状態ばかりではないけれど、可能な限り目を見て語らうようになった。  外にも積極的に出かけてる。その時にもひたすら話を聞き続けたおかげか、誰彼構わず引き止めて離すことはかなり減った。  多分、前よりはいい状態だと思う。だけど一つだけ、心に誓っていることがある。  家の中で、時折、娘に聞かれぬようにつぶやく一言。 「ずっとずっと、あなたとはお約束はできません。ごめんなさいね」  娘が喋っていた相手が何者なのかは知らないし知りたくもない。でも、聞き分けてくれる意思はあるようなので繰り返す。  もう娘と遊んではダメと。ここに現れないでと。その意味を込めて『ごめんなさい』と。 お約束はできません…完
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