予想以上の逆風-2

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部屋に戻った佳奈子は、まずベッドに腰を下ろした。 無意識に口からは溜め息が零れる。 服の上からそっとお腹を押さえたその時、バッグの中のスマホが着信のメロディーを奏で始めた。 (…………楓?) 後でメールか電話をすると言っていたが、それにしては早い気がする。 訝しく思いながらスマホを取り出した佳奈子は、思わず息を飲んだ。 「………………」 画面には、数字の羅列だけで名前は出ていない。 それは登録されていない番号だということ。 そして記憶の片隅に残っていたその番号は、泉の携帯番号だった。 別れた次の日に、削除したデータ。 もうかけることも、かかってくることもないと思っていたのに……。 じっと画面を見つめたまま、佳奈子は身動きすることすら出来なかった。 しばらくして、電話は留守電へと切り替わる。 泉は伝言を吹き込むことなく、電話を切ったようだった。 ホッとした佳奈子は、慌てて今の番号の着信拒否設定を行おうとした。 だがその最中に、一通のメールが届いた。 ………泉からのメールだった。 《 さっき言ったことは本気だから。近々、ゆっくり二人で話がしたい》  
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