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……春ちゃん__大好き』
*
「あーあ。先輩よりクッキー美味しくできたのに」
私はそう呟きながら、お墓の前でかがみ込んだ。
「食べてほしかったなぁ」
先輩のクッキーは甘くもなくさっぱりとした味で食べやすかった。何でも出来たあの先輩は病気には勝てなかったらしく、私にこのメッセージをのこして死んでしまった。
あの後、先輩のアドバイス通りに先輩からもらった『ある物』を写真に撮った後に捨てて、その後、彼氏が出来ました。クッキーとケーキの練習をして、どんなキーホルダーがかわいいかとか調べて。先輩の言った通りに行動したら、私、幸せになれました。
そうそう一番、最後の言葉。あの言葉、あのままそっくり返します。私も先輩のことが大好きでした。だから散々、泣きじゃくったし彼氏にも迷惑をかけて、ちょっといざこざがあったけど。
一つだけ。私は先輩に伝えたいことがあります。
「__私の初恋の人である先輩のおかげで、私はとっても幸せです」
そう言って私は手を合わせた。
__これは、ある夏の日の出来事だった。
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