第1章

7/7
前へ
/7ページ
次へ
翌朝のニュースでドーナツ屋さんの食い逃げ犯が捕まったことを知りました。客のドーナツを奪い、食べて、逃げるという形の食い逃げだったそうです。紛らわしいことしないで、と泣きながらテレビにすがりついたのをよく覚えています。結局、ゲームセンターのニュースを見ることもありませんでした。 学校に着くとさらに大きな衝撃が私を待っていました。穂花も祐里も増える100円玉のことを覚えていなかったのです。ドーナツ屋さんやゲームセンターに行ったことは覚えていましたが、臨時でお小遣いが入ったんじゃなかったっけ、とあっさりした顔で言うのでした。 あれは、夢だったのでしょうか。私は違うような気がします。あの日取ったくまのぬいぐるみは今でも棚の上で笑っています。あれは確かに現実でした。 皆さんの中に同じような体験をされた方はおられませんか。もしいるのなら、是非語り合いましょう。連絡お待ちしております。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加