第1章

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もし道端に小銭が落ちているのに気づいたら、あなたはどうしますか。見て見ぬふりをしますか。交番に届けるという人はあまりいないかもしれませんね。私なら、拾います。周りの目を気にしながら、元々私が落とした物なんです、なんて雰囲気を醸し出して。 あの日も、そうでした。いつもより少し早く家を出た私は、登校中に初夏の太陽に照らされ輝いている1枚の100円玉を見つけたのです。今日は運がいいなあ、とか呑気なことを考えながら拾った100円玉をスカートのポケットに入れて、私は学校へ向かいました。 *
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