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小学生のにぎやかな声が外に響いている。登校時間なのだ。広場に村の子たちが集まる。その声は通りを入ったリンの家にもよくとどいた。学校は丘の上、空の近くだ。でもリンにはまだ関係ない。
バターをいっぱい塗ったパンを引っ張りながら、リンは旅行に行きたい?と自分にきいてみた。昨夜にきかれたのだ。
・・そうね、そんなに行きたいと思わない。だって、ここが一番きれいなところだもの。みんな暖かい県が好きって言うけど、早く行きたいって言うけど、あたしにはよく分かんないな。
まだ学校には行っていないリンだけど、いろいろと知っていた。時間は限られていること、はるか先のように感じてもその日は必ず来るということを。《パパ》や《ママ》との別れも。
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