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私の言葉に二つ目のボタンを外していた手が止まる。
そして、再び抱きしめられた。
「何でも言って。
椎名の思っていること全部聞きたい」
ついさっきまでの艶めしさは消え、その声は優しいものだった。
きっと私を安心させようとする気遣いなのだろう。
でも、もし違っていたら?
どちらにしても今のままでは、私自身が足踏み状態でしかない。
ちゃんと話そう。
話して私の気持ちをわかってもらった上で、梶谷と結ばれたい。
この先の未来を一緒に築くなら尚更のこと。
大きく息を吐き出し、梶谷の腕のなかで話し始めた。
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