雨合羽の忠告

2/9
前へ
/136ページ
次へ
『この作品はフィクションであり、実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません』  本来、物語を綴る前には必ずこういった文章を添えて始めるのが筋だろう。  しかしこれから綴る物語は正真正銘ノンフィクション。僕が中学生時代に実際に体験した……いわゆる体験談というやつである。  ――最初にこう書き綴っておこう。  そう、僕は犯罪者となる "ハズ" だった人間だ。  未来ある尊い学生の命を奪った。  ああ、しかもその数は1つや2つではない、クラス全員の命。そう、僕は教職員を含めれば30名近くいたであろう人間の命を一度に奪った犯罪者となる "ハズ" だった人間である。  現在こうして僕が筆を執っていられるのは、あの『雨合羽の忠告』があったからに他ならない。  人生の先達者として学生の皆様にこう忠告をしておこう。  『雨合羽の忠告』を無視してはいけない。と、  そう、あの『雨合羽』の言葉を借りるなら……   『キミたち……      人殺しにはなりたくないだろう?』  ◇
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加