雨合羽の忠告

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 東京都江戸川区のとある区立中学校。  今のネット社会ならば調べようと思えばいくらでも調べることが可能だろう。  約15年前、この中学校で大きな事件があった。家庭科室で調理実習を行っていたクラス生徒の全員が次々と体調不良を訴えて病院へと搬送されたのである。  原因は……   ――そう、確か "一酸化炭素中毒" 。  その事件は当時のニュースでも大きく取り上げられた。  学校には生徒を搬送する為の救急車は勿論、消防車や通報を受けた警察関係者などが次々とやってきて、空には授業中にも関わらず大きな音を立てて報道陣のヘリコプターが飛び交かった。  昼前の授業中、突然の事であった為、この時はまだ事件が起こったことを知らない生徒も多くいたはずだ。  学校は一時騒然となり、生徒は体育館に集められ教頭の口から簡単な箝口令が敷かれた後に結局その日の授業は全てなくなり、全員が帰宅となった。  当時まだ糞子供(クソガキ)だった僕は……そう、この時はまだこの事件を "楽しんでいた" のだと記憶している。  「授業が潰れて超ラッキー」などとウキウキ気分で帰宅したのだ。それから夕方のニュースで普段自分の通っている学校がテレビに写るのを見てえらく興奮し、チャンネルを変えまくったのを良く覚えている。  ――ああ、本当に最低の大馬鹿野郎だ。  そう、この事件の原因を作ったのは他ならぬ僕自身だったというのに……  ◇
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