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その後、A君とB君と話をしたが結局、3人とも覚えてはいなかった。分かるのは雨の降る日に『雨合羽』に話しかけられたという事実だけ……
* * * *
あれから10数年の月日が流れ……僕たち3人は少し疎遠となってしまったが今でもちょくちょく連絡を取り合っている。
今回、この体験談を綴るにあたっても僕は2人に連絡を取った。
A君は……
「はあー、もうオレにあの時の話はしないでくれよ、あれは夢だったてことにしようぜ」
と笑い。
B君は……
「いいんじゃないか、信じるやつなんていないと思うけど……今度時間がある時にまた飲もうぜ」
と笑った。
本当に不気味で
本当に不可思議なあの体験。
忠告通りの行動をしたのは偶然だったのかもしれないが、今でも僕たちがこうして連絡を取り合い3人が笑っていられるのも、あの『雨合羽』との体験を共にしたおかげなのかもしれない。
だから最後にもう一度だけ、書き綴ろう。
この物語は正真正銘ノンフィクションである。
『雨合羽の忠告』を
決して無視してはいけない。
そう、あの『雨合羽』の言葉を借りるなら……
『キミたち……
人殺しにはなりたくないだろう?』
そして、僕の言葉で締めるなら……
『キミたちも……
ずっと笑顔で笑っていたいだろう?』
―― 了 ――
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