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ここは……。ぐるりと見回してみて安堵の吐息を漏らす。
ここは俺の部屋だ。
そして俺を覗き込むようにして微笑むひとりの女性。
そうだ、俺の妻だ。あの小人の顔は妻だったのか。
「よかった。もうバカなんだから。私を悲しませないでよね」と瞳を潤ませていた。
「ごめん」
俺はそんな言葉しかかけることができなかった。
またやってしまったようだ。
すべては俺が開発した不完全なもののせいだ。
脳内投影ブックカバーなるものだ。
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