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「ちょっと、あなた話を聞いているの?」
「あ、ごめん」
「とにかく、もうそのブックカバーは処理してよね。命の危険あるものはダメよ」
「そうだな」
「本当にわかっているの?」
「ああ」
「もう、ちゃんとしてよね」
妻の様子を見遣ると怒った口調の向こう側にある心配する気持ちが痛いほどわかる気がした。
もう一度「ごめんな」と謝り妻を強く抱きしめた。
もちろん、その後脳内投影ブックカバーはお蔵入りとなったことは言うまでもない。
ふと思う、妻の怒った顔も好きかもしれないと。
きっと俺はまた同じ過ちを犯すかもしれない。けど、また妻が俺の過ちを正してくれるだろう。そう信じている。
それって俺の都合のいい解釈かもしれない。けど、いいだろう。
ずっと俺のそばにいてくれるだろう。
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