脳内投影ブックカバー

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「あっ、繋がったぁーーー。突然ですが、私を貰ってください」 この電話が救いの言葉になろうとは。 突然過ぎるおかしな言葉。 貰ってくださいとはどういうことだ。 安堵した女性の声だったけど、いったい誰なのかさっぱりわからない。 それも当たり前の話だ。 今、俺が手にしている携帯電話らしきものはついさっきそこの公園で拾ったものだ。 きっと、電話してきた相手はこの携帯の持ち主だと思って『貰ってください』などと大胆発言をしたに違いない。 声からして相当可愛らしい女性のような気がする。 いやいや、妄想するのはよせ。期待するんじゃないぞ。 よし、まずは深呼吸をして落ちつこう。 冷静に、冷静にだ。 わからない。いくら冷静になろうが答えはそれしかない。
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