脳内投影ブックカバー

4/12
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
そのとき、どこかで着信音が鳴った。音源は近い。謎の携帯電話からだった。 だが電話ではないようだ。 メールか? だとしてもどうやって開くのだろうか? 阿呆、触るな。放っておけ。余計なことするな。 俺の心の声がそう警告する。ごもっともだ。 携帯電話をポケットに入れて交番へと向かう。確か、駅前にあったはずだ。 んっ、今度は何の音だ!? 警告音のような緊迫感を促す音があたりに響く。 もしや、携帯電話からなのか? この音はまずい。近所迷惑極まりない。 どうにか音を止めなくては。 ポケットから取り出したもののどこをどう操作すれば止まるのかまったくわからない。 俺はさっきどうやって電話に出たのだろうとそのときふと思った。 あのときは、勝手に繋がってしまったような気もする。 ならば今度も勝手にどうにかなるのか?
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!