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何が起きているというんだ。誰か教えてくれ。
胸も苦しくなってきた。俺は死ぬんじゃないだろうな。
立っているのも辛くなってきたぞ。
おや? あれは……。
目の前に広がる黒い渦。そこから、人のようなシルエットが薄らと見え始めていた。
誰か来る。
あれは、いったい。
まさかと思うが、電話してきた相手なのだろうか。
こんな恐ろしい力のある女性を貰い受けるわけにはいかない。
逃げなくては。
そうは思ってみたところで逃げることは無理なようだ。
足がまったく動かない。
地に足が引っ付いてしまったようだ。というか物凄い重力が掛かっているような感じだ。
下手をすると上から押しつぶされかねないくらいの圧力を感じる。
この辺の磁場が狂っているのかもしれない。
もう諦めるしかないのか。
『死』が近づいている? そんな嫌なことばかり考えてしまう。
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