Act. 31 Side Ayumu

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美瑛から戻って半月。 今年東京に初めて雪が舞った夜。 俺の親父はこの世を去った。 結局葉月と親父を会わせてあげられたのはたった一度だけだった。 けれど彼女は美瑛から戻って来ると、親父とラインでほぼ毎日やり取りなんかしてくれて。 結局、最後の最後まで親父は葉月への結婚祝いのプレゼントのことを気にしていたらしい。 白い雪景色の中、煙突から天へと昇って行く親父を見届けながら俺の隣で彼女は呟く。 「お父さんからね、プレゼント頂いたの」 「ああ、そうらしいな」 「うん」 寂しそうに頷いた彼女が本当に心を開いて親父と向き合ってくれたからこそ。
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