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私の話を黙って聞いてくれているのは映見だけではなく、結局瀬那川も真剣に聞いてくれている。
クソ生意気な瀬那川だけど、こういうトコはやっぱり映見が選んだ男なだけあって頼りになるのが瀬那川蓮都という男だ。
想いをぶちまけた私に、瀬那川は呆れ顔で言った。
「葉月さん、そうやって無理して大人の女ぶるから自分が苦しむんでしょ?」
「……ぐっ……」
「確かに職場が一緒だと、家庭生活の中でもついつい仕事の話になっちゃう時もあるし、まして相手が直属の上司だとやりずらい部分もあると思う。だけどさ……」
そこまで言って瀬那川は、映見を自分の膝の上に引き寄せた。
突然の瀬那川の行動に、映見が慌てながら声をあげる。
「ちょ、蓮都!だっことか辞めて!」
「まぁまぁ。ちょっと我慢しな」
抵抗する映見を背後からギュッと抱え込んだ瀬那川は、満面の笑みを浮かべて私に言った。
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