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「まー、仮に願いが叶ったところで、 おまえはずーっと俺のお友達、 だけどな」   そういって嫌らしく笑う村坂に 引きつった顔で笑い返しながら、 上手くいくことを願ってた。   それから暫くして。 村坂が死んだ。 高級スポーツカーで高速道路を爆走し、 事故で。 最近買った高級マンションには 大量の金が積み上げられており、 不審に思った警察が調べたところ、 俺が使い込んでた金に行き着いた。 警察には何度も事情聴取されたが、 最初から村坂に脅されて やらされていたとだけ話した。 結局、問われた罪は軽く、 会社も金は戻ってきたし、 情状酌量の余地はあるとして 減給程度でクビにはならずにすんだ。 ……あの日。 俺は村坂が なにも知らないのをいいことに、 箱の説明を半分しかしなかったのだ。
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