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背筋を冷たい汗が滑り落ち、
鼓動が一気に早くなる。
資料室に呼び出され、
黙ってて欲しければ
使い込んだ金をこっちも回せと
脅された。
……従うしかなかった。
ばれてクビになったら?
こんな理由で会社を辞めたなんて、
次の就職先が見つかるとは思えない。
いつバレるのか、
生きた心地がしなかった。
しかも、村坂からの要求は
回数も額も日増しに増えていき、
使い込んだ金額はとうとう
一千万円を超えていた。
「もう、
どうしていいのかわからなくて……。
俺、首でも括るしかないのかな」
限界だった。
会社にばれないように神経を使い、
村坂の顔色をうかがう毎日。
精神的にも肉体的にも
疲労は溜まっていき、
もう生きる気力すら、ない。
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