第1章

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 この世の中、我々の周りは危険に満ち溢れている。災害、交通事故、テロ、通り魔、あげつらえばきりがない。うかつに外も歩けやしない。  そんな時、私はネットショップである画期的な商品を見つけた。  その名も危機察知機。“き”の音と促音が重なって多少言いにくいかもしれないが、名前などどうでもいい。問題はその性能だ。  それは読んで字のごとく、危機を察知するものだ。腕時計型のそれを手に巻いておけば、私の身に降りかかる災難を予め察知して音で知らせてくれるそうだ。予め身に迫る危機を知らせてくれれば、いくらでもその対処ができるというものだ。  私は迷わず購入ボタンをクリックしていた。  
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