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「んん゙ーんんん゙ー」
洋平は全身をバタつかせながらもがいている。
必死な様子を見ているだけでゾクゾクしてきた。
「まずは…」
そう言うと私は洋平の体の真ん中に、一本の線を引くように軽く切った。
洋平は痛みでより必死そうにもがきだした。
切り口から真っ赤な血が溢れる。
私はそこに舌を這わせる。
生暖かく、濃い鉄の味がする。
「おいしい…」
私は興奮して息が荒くなってきた。
「ハァ…ハァ…」
今度は横に一本線を引き十字架をかたどった。
私はもう空腹に耐え切れず、ナイフをお腹に突き刺し大きく開いた。
あまりの痛さに洋平は白目をむいている。
私は肉を削ぎ取ると血だらけのまま台所に立ち、今削いだばかりの洋平の肉をバターで焼き始めた。
ミディアムレアくらいで焼くのを止めて、洋平の無残な姿を見ながら食事をした。
新鮮だから食が進んだ。
でも孝也の時程の満足感は得られなかった。
やはり、知り合いの方がスリルがある。
支配感も味わえる。
洋平の肉は半分ミンチにして冷凍庫へ。
もう半分は孝也の時の様に始末した。
布団はシーツの下にあらかじめビニールを敷いていたので、シーツだけ血が目立たない様にゴミ袋に入れ捨てた。
私は洋平を食べてわかった。
年などは関係ない。
重要なのは私と関わりのある人。
その条件を満たしている者が一番美味しく感じるということ…。
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