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私は次の材料に悩んでいた。
知り合いで探さなくてはいけない。
俊行が初めに頭に浮かぶ。
でも彼は私を癒してくれる唯一の存在でもある。
食べたら無くなってしまう。
どうしよう…。
私は冷凍しておいた洋平の肉があと少ししか無いのを見て焦った。
今日は俊行が久しぶりに家に遊びに来た。
「早紀さぁ、最近様子がおかしいけど何かあった?」
「え?ううん、別に何もないよ?いつもと同じだよ。」
まさかあなたを食べたくなるから傍に居たくないの、なんて言える訳が無い。
「そうかなぁ…何かいつも考え事ばかりしてる様にみえるよ。もしかして俺と別れたいとか?」
「そんなこと思ってないよっ!!」
つい声を荒げてしまった。
俊行も一瞬びっくりした様な表情になったが、すぐにいつもの優しい顔に戻って
「そっか。よかった…。」
そう言って微笑んで抱き締めてくれた。
優しい俊行…
ずっと傍に居たい。
でも…それ以上に食べたい…
きっと俊行の体は何者よりも一番おいしいだろう。
一番大切な人程、私の欲望を満たせてくれる材料は無いだろう…
俊行と愛し合いながらずっとそんなことばかり考えていた。
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