108人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「よぅ、具合はどうだ?連絡しても繋がらないから心配でお見舞いにきたよ。」
肉を刻むのに夢中で携帯のことなどすっかり忘れていた。
いつの間にか夜になっていたらしい。
「今起きたとこだったの、充電しておくのすっかり忘れてた…心配かけてごめんね。」
「そっか、まぁ、元気そうだから良かったよ。プリン買って来たから一緒に食べよう。」
そういうと俊行は部屋にあがりスプーンを取りに台所に目をやった。
もちろんそこにはミンチにされた孝也の肉片が置いてある。
「あれ?ご飯作ってた途中だったんだ。」
「あ、うん…ハンバーグ食べようと思って。」
「お前病み上がりで脂っこい物食べて平気なのか?まぁ、食べられないよりはいいけど…。じゃぁ、俺が作ってやるよ!早紀は座ってな。」
「えっ、いいょ、私が作るよ。」
「あ!お前俺が料理作れないと思って馬鹿にしてるな!?すっげーうまいの作ってやるから座って見てろって!!」
そういうと俊行は友達の肉を手に取り楽しそうにコネ始めた。
私はその光景が何だかとてもおかしくて、思わずクスッと笑ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!