対峙-2

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「─────じゃあ、俺も行く」 ようやくのこと呟いた楓の言葉に、佳奈子は驚いて身をよじった。 「えっ?」 「だって、二人きりなんて危険すぎるよ。泉さんと話すんなら、俺も同席する」 「だ、ダメだよ!」 慌てて手を横に振ると、楓はムッとしたように佳奈子を睨み付けた。 「なんでだよ! 俺、佳奈子さんの夫だよ!?」 「だって絶対、冷静でいられないでしょ!」 「……………っ」 ピシャッと言い切られ、楓はグッと言葉を詰まらせる。 確かに佳奈子の言う通り、泉の顔を見た瞬間に殴りかかってしまいそうだった。 「…………でも」 「泉さんも、楓がいるときっと本音は言わないと思うし、変なところで意地になるかもしれない」 「………………」 「ちゃんとあの人と話したいの。───そうでなきゃ、私もきっと前には進めないから」 そこで堪らず、楓は再び佳奈子の体を強く引き寄せていた。 顔を佳奈子の髪に埋め、ぎゅっと目を瞑る。 「…………頑固だね、佳奈子さんは」 「────ごめん」 「でも、絶対に約束して。自分の体と赤ちゃんのことを、一番に考えて行動するって。………話がこじれそうなら、すぐに俺を呼ぶって」 震えた声から、楓が色々なものを我慢して飲み込んでいるのが伝わってきた。  
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