エピローグ

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あの商店街の不思議な事件の翌日。 俺は、今度こそと思い、紙袋を手に登校。今日は藍柿のお誕生日。 運命の、日。 ヤバい。 花付きゴムにリボン掛けてたら、時間かかって遅刻寸前ッ。 階段を2段飛ばしで駆け上がり、息も切れて汗が首を伝う。 「藍柿!」 ドアを開け放ち、叫んだ。 「何? あ、タクミくん、おはよ!」 ……終わった。 なんだか、神様に嘲笑われた気分だった。 目の前には、星のキーホルダーをしっかり鞄に取り付けたメロメロの馬鹿ミキコ。 それから、机2つ挟んで誕生日プレゼントの山に囲まれている、ショートカットの藍柿さん。 ショートカットの。 髪ゴムを使えない程、ショートの。 「んでなんだよぉぉぉ!!」 髪ゴムの入った紙袋が、するりと床に落ちた……。
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