2人が本棚に入れています
本棚に追加
あの商店街の不思議な事件の翌日。
俺は、今度こそと思い、紙袋を手に登校。今日は藍柿のお誕生日。
運命の、日。
ヤバい。
花付きゴムにリボン掛けてたら、時間かかって遅刻寸前ッ。
階段を2段飛ばしで駆け上がり、息も切れて汗が首を伝う。
「藍柿!」
ドアを開け放ち、叫んだ。
「何? あ、タクミくん、おはよ!」
……終わった。
なんだか、神様に嘲笑われた気分だった。
目の前には、星のキーホルダーをしっかり鞄に取り付けたメロメロの馬鹿ミキコ。
それから、机2つ挟んで誕生日プレゼントの山に囲まれている、ショートカットの藍柿さん。
ショートカットの。
髪ゴムを使えない程、ショートの。
「んでなんだよぉぉぉ!!」
髪ゴムの入った紙袋が、するりと床に落ちた……。
最初のコメントを投稿しよう!