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ひええ!
どうする。どうすればいいんだ!
「キャキャは、この部屋に入った時点で魂を貰ってるんだから、願いを聞かないといけないんだよー」
はへ?
混乱してきた。
「待て待て! キャキャ、お前はさっき、願いを叶えるには魂を……」
「もらうのにゃん☆☆」
気持ち悪い!
「でも、今、すでに貰ったって」
「言ったのにゃん☆☆」
気持ち悪い!
「つまり、今俺の中に魂は……」
「ないにゃん☆☆」
嘘だろおい!!
「大丈夫! 心臓をとるわけじゃあるまいし、魂なんてなくても生きていけるんだよー」
じゃあ魂ってなんだよ?!
「なんでもいーじゃーん。さて、悩みを聞くのだー」
「能天気だな……。」
不安だ。今まで生きてきた中で、一番不安だ。
でも、もう取られているなら仕方ない……か。とほほ。
「願い……か。そうだなあ。」
すっと目が左手にかけている紙袋に吸いつけられた。
「俺さ、好きな子がいて。その子から告白されたいんだけど」
「無理だーあ」
は?!
向き直ると、魔法使いのガキは、まるで夏バテしたオジサンのようにぐーたらしていた。
「魔法にも限界があるのっ。まったくぅ、指名した女子から好きになって貰えるグッツならあるのにねー。惜しいのだ」
それだろ?!
「それ! それください!」
「あいよ、150円」
金とんのか?!
っていうか、取るにしても安い!
「よっと!」
キャキャは再び指を鳴らす。
開かれた手には、小さなピンク星のキーホルダーが握られていた。
「これを、好きな子のカバンにそっと付けるのだ。おかわり?」
……言うなら「おわかり?」だろ。
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