2249人が本棚に入れています
本棚に追加
編集部に帰ると何やら夢が怪しかった。
カクカク歩く姿はまるでゾンビだ。
弥生さんも異変を感じつつも、笑いを堪えてる節が見える。
夢はゾンビのまま、美女弥生を感染させるかの如く後を追った。
もう止めろ夢…
耐えられない。
弥生さんもとうとう吹き出した。
さっき一度、“真田 圭”とつぶやいてたけど、もう一度その名前を呼んだ。
夢にはここ数年、真田ブームが来てる。
だから、あぁ、またかと。
弥生さんは、真田圭にあまり興味がなさそうなのに夢は構わず語りかけてる、いつも。
「…真田さんがどうしたの?」
本日二度目の真田圭の名前が出た時、珍しく弥生さんが反応を見せた。
「居ます」
「います?」
夢が指差したのは会議室とは名ばかりの物置室。
会議なんて、年に数回あればいい方。
そこは今、ブラインドが下りて中は見えない。
夢の奴、『居ます』って、妄想もここまで来たか。
良くてソックリさん、最悪、ポスターか等身大パネルとか?
弥生さんの後を追って俺もドアから中を覗いた。
最初のコメントを投稿しよう!