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「バかなたー! いい加減起きないと遅刻するよー!!」
バタンッとノックもなしに開けられた扉から、5つ上の姉貴がズカズカと入ってきた。
「ちょっ! ノックくらいしろよ!!」
「はぁ? お姉様に向かって何言ってるの?
いいからさっさと起きる!」
「ぎゃっ耳がーー!!」
容赦なく剥ぎ取られた布団の代わりに慌てて頭を隠す。
「耳? そこ頭でしょ。 いよいよ本当にバかなたになったわけ?
言っとくけど一つでも赤点取ったら1ヶ月小遣い無しだからね」
何やら聞き捨てならないことを言っていた気もするが、今はそんなことどうでもよかった。
なぜなら、先ほどまでついていたはずの耳が消えていたから。
「よかった~。 やっぱ夢だったんだな」
「ちょっと聞いてたの?
さっさと顔洗って目を覚ましなさいよ」
姉貴が出て行ってから急いで鏡の前に立つ。
「耳、無し! 尻尾……無し!!
あービビった。
俺疲れてんのかな。
俺にまでケモミミと尻尾を妄想するなんて……」
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