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丁度席が空いたところに座るつもりのようで、周りを押しのけて行く。
あ、と思った時には遅かった。
大きな荷物を持った婆さんが押されて転んでしまった。
「いって、邪魔だよババァ」
「慰謝料よこせーってか?」
「はっ。いつの時代だよ」
ギャハハと品の無い笑い方。
周りは関わりたくのか、誰も助けようとしない。
「ばーちゃん、平気?」
俺は婆さんの肩を支えながら起こした。
ついでにでっかい荷物も拾う。
「あ? なんだテメェ」
案の定絡まれた。
面倒くせえな。
「あ"? やんのか?」
俺は、学ランの下に着ていたパーカーのフードを脱ぎつつ、睨んでやる。
奴らが俺の容姿に一瞬ビクッとしたのがわかった。
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