第1章

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丁度席が空いたところに座るつもりのようで、周りを押しのけて行く。 あ、と思った時には遅かった。 大きな荷物を持った婆さんが押されて転んでしまった。 「いって、邪魔だよババァ」 「慰謝料よこせーってか?」 「はっ。いつの時代だよ」 ギャハハと品の無い笑い方。 周りは関わりたくのか、誰も助けようとしない。 「ばーちゃん、平気?」 俺は婆さんの肩を支えながら起こした。 ついでにでっかい荷物も拾う。 「あ? なんだテメェ」 案の定絡まれた。 面倒くせえな。 「あ"? やんのか?」 俺は、学ランの下に着ていたパーカーのフードを脱ぎつつ、睨んでやる。 奴らが俺の容姿に一瞬ビクッとしたのがわかった。
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