第1章

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「可愛いあだ名ねぇ。 それじゃあネコちゃん、これは今日のお礼。 ありがとうねぇ」 そう言って、俺の手に大きな飴玉を1つ残してお婆さんは電車を降りていった。 飴玉って、小学生かよ。 俺は苦笑しつつも、くすぐったい気持ちで家路に着いた。 そして、晩飯の後、動物育成ゲーム中に口寂しくて、飴玉を舐めた。 これが、昨日の出来事。 今朝、窓を開けると思ったより冷んやりした風が入ってきて思わずくしゃみを2回。 その弾み? で、ポンポンと耳と尻尾が生えてきたわけだ。 何が原因? あの婆さんが何かした? それとも、昨日舐めた飴玉? 2回のくしゃみで2つ生えたって事は、俺もっとくしゃみしたら猫になっちまうのか? いやいやいや、ありえないだろ。 うん、寝よう。 こんなもの夢に決まってる。 俺はリアル過ぎる耳と尻尾をなかった事にして、布団に潜り込んだ。
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