ジリジリジリー

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小雨だった雨が力強さを増していき風が吹き花束が揺れている。 10年か長かったわ溜め息をつく貴方と付き合っていたのは約4年間だったけど私が貴方の為にボランティアをしだしてからはもうこんなに時間がたっていたんだ私もね?貴方と別れたくはなかったの仕方ないでしょ?あの町工場は本当にやばくて私にまで被害が及びそうだったのあそこで働く人達は全員不幸になる被害は家族や親戚友達にまで及ぶほど強い悪意と呪い私は貴方の為に工場のことを調べたのだから工場を辞めてとなんどもいったのに。 でもね?安心して欲しい貴方と別れてもボランティアは続けるつもりだったわ貴方は私がいないとなにもできないものね心配だし変な虫がついても困るでしょ?女は微笑む。 貴方の最後を見守れて本当に良かった今までありがとうでも死んでしまったのだからボランティアもここまでねとても悲しいわ今までのことを思い出す雨の日も雪の日もずっと貴方をみていた気づかれないように神経を磨り減らしながら耐えていた貴方が好きだから頑張れた結婚しているんだからその両立は本当に大変だったなもう10年か。 梅雨の雨が事故現場を流し綺麗にしていく赤い紫陽花の前で携帯電話を触っている男にむかい「サヨナラ」といってから女は事故現場から立ち去っていった雨が激しくふりだした記憶を遺して。
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