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「……世田谷にそんなデッカイ蛇がいたら、街中の噂になると思うんですけど。マムシや青大将みたいに、狭い隙間にヒュッと隠れられないじゃないですか? 動きも鈍いだろうし。十メートル級の大蛇が路上をズルズル這ってたら、みんな大騒ぎで、すぐに警察が駆けつけると思うんですけど?」 「一瞬なんだよ」 「……なにが一瞬なんです?」 「現れるのがだよ。決まってるじゃないか」  と相手はさも当然であるかのように、憤慨した口調で言う。なにがどう決まってるのかサッパリ分からないが、とりあえず雅人は先を続けた。 「現れては、すぐに消えるってことですか?」 「そう、そう! そういうこと!」 「お化けみたいに?」
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