「物」の思い

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(それがあなた望みなら、喜んで叶えてあげるわ。) お風呂は私のお願いにこう答えてくれた。 (でも、覚えておいて。ブレスレットを一度外してしまったら、二度とワタシ達の声を聞くことはできなくなるわ。またそのブレスレットをつけたところでワタシ達の声は聞こえない) 「!」 (それでもブレスレットを外すかどうかは、あなた自身が決めることよ) お風呂の話を聞き、最後の説得をするため私がテーブルの元に向かおうとすると、お風呂に呼び止められる。 (テーブルのこと悪く思わないであげてね。テーブルはずっとあなたとお喋りしていたかっただけなの。) 「分かってる。テーブルと話していれば分かるよ」 テーブルはまるで無邪気な男の子のようだった。 私はテーブルの前に座る。
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