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「今日も疲れたな」
仕事から帰宅し呟くが、家には誰もいない。
一人暮らしなので当然である。
「なんか寂しいな。ペットとか飼えばいいのかもしれないけど…。でも、かなりお金がかかるらしいし、毎日面倒見る自信もないし…」
そんなことをぼんやり考えながら、ふとテーブルの上を見ると、見覚えのないブレスレットがあった。
私は気になり、ブレスレットを手に取ってみた。
「こんなの買ったっけ?誰かに貰った記憶もないし…」
そう思いながらも自分好みのデザインで、つい左腕に嵌めみてしまった。
でも、それは得体のしれない物。
「いくら自分好みだからって…」
私は我に帰り、ブレスレットを腕から外そうとした。
「嘘っ?!…外れない」
どうしようと思っていると、どこからともなく声がした。
(これは頑張ってる君にボクたちからのプレゼントだよ。女の子の君に似合うと思って)
「?!」
(驚かせてゴメンね。ボクはテーブルだよ)
自分の耳を疑ったが、確かに目の前のテーブルの方から男の子のような声がする。
(そのブレスレットがあれば、ボクたちと会話することができるんだよ)
「ボクたち…」
私は話に必死ついて行こうとする。
(うん。ボクだけじゃなく、この家にあるあらゆる物と会話できるんだ)
「そうなんだ…」
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