贈り物

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翌朝。 ―ジリリリ! 朝が来たことを知らせるため、目覚ましが鳴る。 「ん…後5分……」 寝ぼけている私は、目覚ましに返事をする。 (おはよう…) 「はっ?!」 誰もいないはずの部屋で、ふと声が聞こえたため、私は慌てて飛び起きる。 (昨日の事、忘れちゃったのかな?) そう言われ、昨日のことを思い出し、左腕を見る。 そこには昨日のブレスレットがあった。 「夢じゃなかったんだ…」 (僕はベッド。一応君とは初めましてだね) ベッドの声は爽やかな青年を思わせた。 そしてそれは、昨日、私が眠りにつく直前に聞いた声だった。 (ったく、オイラがさっきから起こしてやってるのに、オイラの音じゃ起きられないってか?) また別の声がした。 「目覚ましが喋ってる…」 (今さら何を驚く必要があるんだ) 目覚ましの言葉に、それもそうかと私は思った。 (それより僕たちとゆっくり話していていいのかい?仕事に遅れちゃうんじゃ…) 「!」 ベッドに言われ、急いで身支度をし、朝食を済ませる。 そして、私は愛車に乗り、仕事場に向かった。 ブレスレットが腕から外れなくなってることなど、もうどうでもよくなっていた。 その夜。
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