0人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝。
―ジリリリ!
朝が来たことを知らせるため、目覚ましが鳴る。
「ん…後5分……」
寝ぼけている私は、目覚ましに返事をする。
(おはよう…)
「はっ?!」
誰もいないはずの部屋で、ふと声が聞こえたため、私は慌てて飛び起きる。
(昨日の事、忘れちゃったのかな?)
そう言われ、昨日のことを思い出し、左腕を見る。
そこには昨日のブレスレットがあった。
「夢じゃなかったんだ…」
(僕はベッド。一応君とは初めましてだね)
ベッドの声は爽やかな青年を思わせた。
そしてそれは、昨日、私が眠りにつく直前に聞いた声だった。
(ったく、オイラがさっきから起こしてやってるのに、オイラの音じゃ起きられないってか?)
また別の声がした。
「目覚ましが喋ってる…」
(今さら何を驚く必要があるんだ)
目覚ましの言葉に、それもそうかと私は思った。
(それより僕たちとゆっくり話していていいのかい?仕事に遅れちゃうんじゃ…)
「!」
ベッドに言われ、急いで身支度をし、朝食を済ませる。
そして、私は愛車に乗り、仕事場に向かった。
ブレスレットが腕から外れなくなってることなど、もうどうでもよくなっていた。
その夜。
最初のコメントを投稿しよう!