贈り物

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―ジリリリリ! (おい!朝だぞ!) 「もう・・・朝・・・?」 私は目覚ましの音と声に起こされる。 (おはよう。昨日はよく眠れた?) ベッドが私に聞く。 「うん、おかげ様で・・・・って、ごめん!自分から聞いておきながら話の途中で寝ちゃって・・・」 (別に構わないよ。それが僕の役目だしね) (こんな天気のいい日は、早く起きないと損だぞ) 「え?!誰?」 ベッドが言った後、目覚ましのものでもない、聞き慣れない声がした。 (この声は窓だね) (おう!) ベッドが言うと、窓が勢いよく返事をする。 「でも、今まで喋らなかったのに・・・」 (ブレスレットをつけたばかりで、君の体に馴染んでいなかったからね。日を追えば、君と会話できる物がさらに増えると思うよ) ベッドが私の疑問に答える。 (やっと俺の声が聞こえるようになって嬉しいぜ) 窓が嬉々として言う。 「でも、朝は時間がないから、話は帰ってきてから聞くね」 (そんな・・・)
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