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うん、ちょっと待とうか。あいつの名前はビッグベアー、その4mくらいの巨体からその名前がついたのだろう。でもさ、一つ言っていい?
俺らやばくね?
今の状況把握!
・戦闘力ゴブリン(親父の弟子が殺り合ってるのをお袋と見た)以下な二歳児の俺とそれを抱っこしている妊婦のお袋(年齢不詳)
・目の前に人を襲う凶暴な熊
リッパーさんならイケるけど、今のジャックさんではあの熊を狩れません!何よりナイフを振るえません!
「ジャック、どうしたの?」
「…………僕は死んじゃうの?」
「あらあら、ジャックたら(はぁと)」
俺が真剣にお袋に聞いたら甘やかす(というか甘える)声で笑った。いや、ビッグベアーがめっちゃ咆哮してますよ!?マジで死んじゃうよ!?
あっ、ビッグベアーこっちくんな!マジでこっちくんなよ!本当に近づかないで!くそぉ、あと四年くらいしたらお前くらい狩れ
「ふんっ!」
べしゃっ!
「…………………………………………」
「はい、パパのとこに行こうね~」
言葉が出なかった。今目の前で起こったことは、俺を抱っこしたお袋が『本当にただの変哲もないパンチ』でビッグベアーの頭を砕いた。
某然とする俺を他所に、俺を甘やかす声で俺に嬉々として喋るお袋に「俺、前世で今のお袋と殺り合ったら絶対に負ける」と思いました。
あ、トラック事故以外で無敗なリッパーさん時代の最強の敵は体長5m以上の大きさを誇るオーバーテクノロジーの二足歩行型兵器でした。勝因はナイフの扱いより得意な鉈で一刀両断しました。
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