第一話 リッパーさん生まれ変わった

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そして、お袋に抱っこされたまま道場まで辿り着いた。この間、ビッグベアー計三匹に襲われたが、全てお袋のパンチ一発で頭がパーンって………… 「リーリャ、いつもここまで済まないな。でも、ジャックをいつまで甘やかす気だ?ジャックはもう二歳だぞ。そろそろゲルド流剣術を習わせたいものだが」 「そんなことできるわけないじゃない?貴方と私の息子よ?」 「だからだ!ジャックはいつか、俺の後を継がせるんだぞ!」 「だからってそんな言い草ないじゃない!」 あー、いつもの喧嘩が始まった。でもなぁ、話題はいつも俺のことばかりで喧嘩してるが、昔の親父やお袋なら無視してたけど、今の親父とお袋がいい人だから申し訳ない。だがな、お袋はいくらなんでも俺を甘やかし過ぎてるぞ?これじゃあ弟、もしくは妹が産まれたワガママばっか言うようになるぞ? 「ジャック様、今日もかわいいですね」 そう言ってくれるのは道場、と言っても開けた土地に簡単なだが大きな屋根を建てた場所、の掃除等の雑用をしてくれる使用人の人だ。名前は確か………タリアしかと覚えてないな。まぁ、使用人のタリアさんだ。一応、この場では癒しを与えてくれる人だが………… 「ママが………ビッグベアーの頭パーンって」 「リーリャ様子供になに見せてるんですか!」 「タリア、いきなり叫んで何があったんだ?」 「ジャック様が、ママがビッグベアーの頭がパーンって言ってます」 「リーリャ、またか!お前は子供に何を見せてるんだ!」 「だって、だって仕方ないじゃない!」 ああ、俺のせいでまた喧嘩がヒートアップする。うちの親は喧嘩したら二時間は止まらない。ただ、タリアと遊んで時間を潰すだけ。 親父が厳し過ぎてお袋は甘過ぎる。この夫婦の欠点だなぁ、と思う日々を変えたいなと思う俺だが、前世の知識も役に立たないし、見てるしかできない。 そして、ついつい中身がいい歳なのにタリアと暇つぶしについ熱中してしまうんだなぁ…………
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