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「俺は見たことないが、お前の手の内くらい見せてくれリーリャ!」
「それは絶っっっっ対に拒否!断固拒否!」
そんな言い合いがもう三時間弱も続いていた。これは最長記録突破だな。てか眠い。タリアにかまってもらったからいいけど、もしタリアが居なかったらめっちゃ暇なんだけど。
「ふわぁぁ…………」
ずっと堪えていたあくびが出てしまった。いや、本格的に眠くなってきた。流石にタリアと砂山崩しを一時間ほど、親父の弟子がやってきて、親父の武勇伝を今現在まで二時間ほどずっと聞いてたからしょうがない。だいたい、精神はともかく身体は二歳児なのだから。
「あら?リーリャ様、ジャック様がおねむみたいです」
「あら、ジャックは眠くなっちゃったのね。それじゃあアナタ、私はジャックを寝かしつけながら帰るわ」
「リーリャ!まだ話は終わってないぞ!」
お袋は親父の言うことを完全に無視していた。言い返したらまた喧嘩が始まるからだろう。…………眠い。まぶたが閉じそうだ。
「ジャック~、お家に帰りましょうね~」
「ふわぁぁ…………」
「やーん!ジャック可愛い!」
またあくびが出てしまった。俺があくびしたことによってお袋がなんか興奮して自分の頬を俺の顔にスリスリしてきた。うん、やっぱりお袋は親父の指摘通り甘過ぎる。親父もある程度の甘さもあるけど厳しさの方が目立つ。でも、お袋の様に甘過ぎるよりはマシかな?
ああ、でも、もう眠いや。お袋が俺を抱っこして自宅へと戻っていく。この後は一眠りした後、ご飯になるんだろうな…………
気づいたらもう俺は眠気に抵抗できなくなっていて、お袋の胸に沈むように眠りについた。
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