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時は来た。家族がずっと待ち望んでいたこの時が、な。
流石に時期もそろそろだと踏んでいたので、家にその手の専門家を待機させていたのが幸いだった。家からその専門家が居る街まで約四時間、それだけ時間をかけてしまったら間に合わなくなる。
金は多少かかるが最悪の結果になることだけは避けたいのが俺、いや、家族の願いだからだ。
前世の俺に兄弟は居なかった。家族構成は俺に両親の三人だけ。嫌な思い出しかないので忘れよう。
そんな事は置いといて、親父とお袋、そして専門家が部屋の中にいる。俺が居ない理由は子供には刺激が強いのでちょっと見せられないとのこと。それをまだかまだかと駆けつけてくれたタリアとゲルド流剣術の弟子たち待ってる。
俺はただ、ひたすら待って祈るだけ。これしか今できることがない。前世の時も、もしかしたらあの時の親父もこんな気分だったのだろうか?ああ、また変な事考えてるな。
俺を溺愛し過ぎて逆に引いてるけどな、お袋は大丈夫だろうか?てか、親父も精神的に大丈夫だろうか?
ははっ、元殺人鬼が親の事を思うなんて随分変わったな。まぁ、元々明るいって言われてたから思いやりを思うことができるんだろうか?悪の敵だから言えるんだろうか?
てか、まだなのか?もう五時間くらい待ってる筈だ。もしかしたらもっと短いのかも…………
こう言う時だけ時間の感覚がおかしくなるからイライラする。まだか?まだなのか…………?
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