178人が本棚に入れています
本棚に追加
オギャア!オギャア!
「…………っ!」
大きな、甲高い声が部屋の中から聞こえた。ついに、産まれたんだ!何だろう、すごく嬉しい!いや、まだだ。お袋の容体もあるし、赤ちゃんの容体も急に変化することもあるから油断でき
「ジャックゥ!よかったなぁ!弟か妹が産まれたじゃねぇか!」
「うぶっ、い、痛っ!」
なんか凄く興奮している親父の弟子にバンバンと背中を叩かれた。親父の弟子って筋肉が結構ついてるから痛いんだよ!
突然、ばん、と勢い良く親父が扉を開けて出てきた。その顔は俺が今まで見たことがない程に真剣になっていた。そして、俺が心配になっている事を親父に聞いた。
「ママはどうなってるの?」
「ジャック、ママは大丈夫だ。それより、みんなに報告がある」
親父が突然言い出した。報告、って弟か妹かって話か?それも気になる。どっちだ?どっちなんだ?
「産まれた子が男か女か気になるだろう?今、リーリャは助産師に面倒見てもらってるから出られないから俺が言おう」
沈黙が流れる。それもその筈、今の技術では産まれるのが男の子か女の子かを判別する物がないのでとても重要なことだ…………多分?
で、どっちだ?できたら男の子でお願いします!ゲルド流剣術を継がせたいんですよ!
「双子の女の子だ!」
「「「「「うおおおおおおっ!」」」」」
双子の女の子だと発表された途端、皆が大歓声を上げた。てか、双子だったのかよ。お腹が大きく膨らんでたけどあの中に二人いたんだ。
妹かー、弟じゃなくてちょっと残念だけど、ちゃんと産まれただけ良しとしよう。今度、またできた時に期待しよう。
最初のコメントを投稿しよう!